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パンにはまるキッカケ,TVチャンピオン

学生時代からパンが大好きだった。高校時代のお弁当は母に頼んで毎日サンドイッチ。母も作るのが楽だから…と三年間、見事にサンドイッチを作りきってくれた。

その後、大学時代も三色パン。焼きたてパンと見るとお腹が空いてもいないのに、フランスパン1本買って丸ごとぺろり。バターをつけるなんて考えたこともなく、何もつけずにそのまま食べた。百貨店のデパ地下で焼きたてを買い、屋上のベンチでパンを食べるひとときは最上の至福の時間。

学業か部活(体育会だった)以外はパン三昧。アルバイトもパン屋さんとケーキ屋さん。売れ残ったパンを大量にもらっては冷凍して毎日食べていたっけ。今思い返すと、本当にパン三昧だったなぁ・・・。

そんなパン漬けの学生時代、「TVチャンピオン」というバラエティ番組があった。有名パティシェの職人技を競うものから大食いバトル、知恵比べ、ジャンルは様々。あのお魚くんもこのTVチャンピオンがデビューのキッカケだった。パン職人選手権というものもあって、名シェフが限られた時間の中でパンを作るという企画もあったけど、私が出場したのは「パン通選手権」といってパン知り博士的な企画で、都内のパン店の知識比べという内容。とにかくパンを食べまくる企画(笑) 番組で「パン好き、集まれ!」という募集を見て、出てみよう!と即決。翌日に電話。いくつかのパンに関するテストがあり合格、出場決定。

収録までの二ヶ月ほどだったか、2万円と都内50件以上あるパンリストを渡され、「出場者の皆さんは知っていると思いますが、一応事前学習しておいてください」と。貧乏学生だったし、お金をいただいてパンを食べれるなんてラッキー!という感じで、都内とにかく行けるだけのパン屋さんへ行って買い、ひとつひとつイラストとメモと取り、可能な限りシェフに会ってお話しをお伺いした。

前後の話しが長くなるけど、パン好きに更に拍車がかかったのはこのパン職人さんの取材だった。もう20年以上も前のパン屋さんは今と環境がまったく違う。個人店は少なくて、国産小麦を扱うパン店はほぼゼロで。それでもしっかり作るパン店のパンは旨かった。シェフの考え方も様々で、フランス仕込みの本場を伝えるのが使命とするシェフ、子供のための安全第一を考えるシェフ、お菓子のようなオシャレなパンを目指すシェフ、昔ながらの菓子パンを作り続ける職人、食パン専門に作るパン店。同じパンを作っているのに、表現したいことがそれぞれあって、それぞれ違っていて、パンの顔もお店の空気もまったく違う。これは本当に面白かった。パンは生き物だと思うので、お菓子以上にお店の空気やパンの差が出るような気がして、これは今も思うところ。

このパン店巡り、シェフ取材で一番衝撃を受けてファンになったのが東京の富ヶ谷にある「ルヴァン」さん。当時、国産小麦を扱うパン屋さんが皆無と言っていいほどの中、国産小麦を使い砂糖は使わずにドライフルーツをしっかり使い込む硬いパンを焼いていた。心身に良いものを考え、生き方と食べ方への哲学を持ち形にしたパン。硬いパンにも衝撃だったけど、何よりそのパンが美味しかった。滋味があって甲田さんの考えと温もりが込められたように感じるパン。ルヴァンさんはその後、東京を離れた後も通い続けたパン店だった。

そんな訳で、パン好きからシェフに出会い、シェフに尊敬するようになり、その後の大阪・神戸で通販の仕事の中でもパンに出会うことが多く、フィリップ・ビゴさんとお会いしてパンを扱わせていただいたり、北海道では北海道産小麦を使ったオリジナルパンを全国配送したり。それも思えば、やっぱりパンにのめり込んだTVチャンピオン出場がキッカケかな。

今はもうなくなってしまった番組だけど、有難う!TVチャンピオン!(今さらだけど・・・)


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