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パンと小麦と十勝の暮らし

 子供の頃からパンが好き。焼きたてのパンの前を通ると食後でも買って食べてしまうほど。パン好きが高じて学生時代にTVチャンピオンというクイズ番組「パン通選手権 第二回」に出演、出演前に都内のパン屋さん30件以上巡り、パンを食べ歩くと同時に、パン職人さんを取材し感銘を受けたことで、さらにパン好きに拍車がかかる。

 神戸でOL生活をしていた頃は毎日パン食。パンの街「神戸」で焼きたてのパンを味わえる幸せな環境で6年暮らす。

 その後、北海道・十勝へ移住し、良い食を作るために奮闘している生産者たちに出会う。「良い食を作るには手間暇かけることが大切」ということを教わり、顔の見える距離で食材をいただき、ものづくりできる環境に感動。そういうことを伝えたいと小さな菓子工房を作り、地元産素材でお菓子を作るようになる。ものづくりの傍、もっと小麦のことを伝えることができないか思案。

 小麦の一大生産地「十勝」と、パンの街「神戸」で暮らした経験から「パンと小麦」と題して、“国内で小麦を作る人“〜“製粉する人”〜“小麦粉を流通する人“〜”パンを作る人”〜“パンを食べる人”、とにかくパンに関わっている人どうしがもっと身近に感じられたら…という想いと、日々の中で微笑ましくなるようなパンや素敵なパン雑貨を伝えたいこと、などなど思いがあふれて、2016年夏にこのサイトを作ることにしました。

甲賀静香プロフィール

東京生まれ。神戸の通販会社フェリシモで約10年間バイヤーと商品企画を経験。2005年に北海道へ移住、赤井川村、札幌を経て十勝(帯広)へ2007年に移住。帯広市内の会社で雑誌編集と食品の商品開発を2年間経験後に独立。十勝菓子工房 菓音を立ち上げ、十勝の食と生産者を伝えるためのお菓子作りを目指している。

日本の小麦事情
 日本に輸入されている小麦は約570万トン、日本で生産される小麦は約85万トン、その中で北海道産は55.1万トン。(2014年、農林水産省「作物統計,食料需給表」参照)
 乾燥地帯で育つ小麦を多湿の日本で生産する困難はありますが、生産者の努力と品種改良により品質は向上しています。農地や後継者問題はありますが、国内産小麦の需要と供給のバランス良い成長が望まれます。輸入小麦と共存しながらも、国内の農業が持続し国内産小麦がより良い状態で国内に普及し使われていくことが大切です。そして、食べる私たち自身が、食べるものの背景を知ることが最も重要なことです。
国産小麦粉とパン
 国内産の小麦は、輸入小麦の約8分の1、パンに関しては約1%という割合です。小麦生産者が増え生産量が増えること、加工する人が増えること、そして食べる人が増えること、このバランスが取れて国内産小麦市場は少しずつ成長していきます。
 輸入小麦を否定することはできません。輸入小麦でしか作れないパンや食品がありますし、それ以前に国内産小麦だけでは足りないからです。でも、食べる人が国内産小麦のものを選んで、作る背景を感じて国内産小麦で作られた食を味わう、そういう人たちが増えたら、少しずつ良い形で変わるような気がしています。
 十勝で小麦畑に囲まれて暮らしていると、そう考えずにはいられないのです。小麦を作る人が目の前に見えるからこそ、作る人が「頑張ろう」と思える、そんな国内小麦市場になったらイイなぁと思うのです。
十勝の暮らし
 十勝は観光地でないから、未だに「空港はあるの?」なんて聞かれます。有るんです、立派な地方空港が!帯広空港まで、東京から空路で約1時間45分、関西からでも千歳か羽田経由で来ることができます。交通の便はあるし、帯広市内には病院もお店もちゃんとあります。田舎だけど適度な人口密度、ネットの普及で不便さを感じることも少なくなりました。農業も酪農も盛ん、若い農業生産者の方々が元気。車で走れば広大な畑や牧場、広い空が見え、冬は限りなく白い大地に。
 そんな十勝、移住はもちろん、週末の「暮らすような旅」もオススメ。この豊かな地域に、一人でも多くの人が訪ねてきてくれることを願っています。
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